~後戻りしない製販分離推進のためのポイント~
効率追求と品質追求の正しい理解
またまた師走がやってきました。例年同じことを書いているように思いますが、あっという間の一年でした。皆さんのこの1年はいかがでしたか?自分が年を重ねたせいでしょうか、1年経過スピードが毎年毎年早くなっているような気がします。
さて、製販分離を支援している中で、最近製造責任者が交代したり、リーダが変更になった場合に次のようなケースをよく目にしたり耳にしたりします。
『工程表やチェックリストが細かすぎて見にくいのでわかりやすいようにシンプルにしました!』
製販分離推進担当者としては事務所の様々な機能の方にわかりやすいように必要な項目を隠したりカットしたりして、元々作成した工程表やチェックリストの見栄えをわかりやすく工夫しているということを私に伝えているのです。且つシンプルな方が業務の効率につながるというのです‥
元々検討して作成した工程表やチェックリストは、何度ものトライアルを通じて改良されたものであり、1つ1つの項目に重要な意味があって形成されているのです。
もしもこの改訂された工程表やチェックリストを活用して業務を進めたらどんなことになるでしょうか?
恐らくベテランの方は問題なくこの改良され見やすくなった工程表チェックリスト活用すれば楽になるし見やすくもなるでしょう。しかし一方で新人さんやまだ経験の浅い方は、工程間に潜む業務やチェックリストにない重要なポイントを身落ちしがちで、多くのミス、エラーにつながってしまいます。
そうすると業務のやり直しが発生して結局は効率も品質も落ちてしまうのです。
自分以外の方が作成したルールやリストなどのツール類はどうしても見にくいですし、ましてや士業事務所のように職人集団では自分作成以外のものは認めない、認めたくないという意識や風土がどうしても払しょく出来ません。
製販分離で目指すものは、『効率性(生産性)』と『品質』の向上を同時に実現することです。言い換えるならば絶対に工程を逆戻りさせないで、1回で業務が完結する流れを構築することなのです。
そのための仕組、ツールとして工程表や手順書、チェックリストが存在しているのです。
1回で業務を完結させ、絶対に工程を逆行しないためには安易な工程表、チェックリストの必要項目削除や改変は絶対にしてはならないのです。
少々見にくくても、使いにくくても、項目が多すぎても、力量が低い方でも工程を逆行しない仕組みを製販分離で構築しているので、その意味をきちんと理解して進めて行く必要があるのです。
一見すると相反する『効率』と『品質』の向上ですが、その本意が分かっていたら必ず同時に向上できるのです。
製販分離で絶対に注意すべきこととは、
- 今までの慣れた工程や習慣に戻らないようにすること‥。
- 自分の不慣れを言い訳にしないこと‥。
- 様々な力量の方が居て組織が成り立っているということを忘れないこと‥。
イプシロンコンサルティング 代表取締役 角田 達也
紅葉を見に、日光の茶臼岳に行ってきました。
[投稿]2015年11月30日